ダウ理論,「押し安値」「戻り高値」
トレードを始める前にまず判断するべき事は、相場の状態です。
「上昇トレンド(アップトレンド)なのか?」、「持ち合い(レンジ)なのか?」、「下降トレンド(ダウントレンド)なのか?」
相場の状態を把握できなければ、適切なオシレーターを表示する事もできません。例えばトレンドが発生しているのに、レンジで良好に機能するといわれるRSIを信用してしますと
「ダマし」に合う確率が上がります。
ここでは、ダウ理論を使ってトレンドの判断をしていきます。使いこなして「ダマし」を避けていきましょう。
「押し安値」「戻り高値」
がキーワードになります。下記の図で用語から確認していきましょう。
(基礎理論がまだの方は、「ローソク足とダウ理論」に解説がありますのでご参照ください。)
「押し安値」の探し方

「押し安値」を探す為には「戻り高値」を探す必要があります。
「戻り高値」は「直近最安値」の一つ前に位置する「高値」の事です。
上記図では、【↑青】が「戻り高値」です。これを起点にして見ていきましょう。

「戻り高値」を上に抜いた時点(★)で、「直近最安値」だった所が、新しい「押し安値」(左側の図)となります。
さらに、この新しい「押し安値」を下回らずに切り返し、「高値」を切り上げた時点(★)で、新しい「押し安値」(右側の図)となります。
次に、チャートを逆にして「戻り高値」を探してみましょう。
「戻り高値」の探し方

「戻り高値」を探す為には「押し安値」を探す必要があります。
「押し安値」は「直近最高値」の一つ前に位置する「安値」の事です。
上記図では、【↓赤】が「押し安値」です。これを起点にして見ていきましょう。

「押し安値」を↓に抜いた時点(★)で、「直近最高値」だった所が、新しい「戻り高値」(左側の図)となります。
さらに、この新しい「戻り高値」を上回らずに切り返し、「安値」を切り下げた時点(★)で、新しい「戻り高値」(右側の図)となります。
ダウ理論、成立の定義
ここで、「ダウ理論が成立する場面」の定義を明確にしておきます。
(※人によって考え方は様々ですので、これを決めないとブレてしまいます。私が支持している説という事でお願いします。)
ローソク足実体で値を更新する
という点です。
ローソク足レベルでのダウ理論
(※図 左:前回の「高値」を超える(上昇パターン)/右:前回の「安値」から下げる(下降パターン))
つまり、2本の内左側のローソクは髭(ヒゲ)でカウントし、右側のローソクは「ローソク足実体」で見るという事です。
下降トレンド成立要件
では、ダウ理論で下降トレンド(ダウントレンド)が成立する要件を確認しています。
(※ビットコインチャート:2018.03.20-04.05)
「押し安値」を、下抜け(A地点)した後、に「戻り高値」に届かない様に作った「高値」(B地点)をつける。
そして、「新しい押し安値(A)」を「ローソク足実体で下抜けした時点」で下降トレンド成立となります。
では、ダウ理論で上昇トレンド(アップトレンド)が成立する要件を確認しています。
次は波形を少し細かく見て難易度を上げてみます。少し見ずらい場合は時間足を一つ短くしてみると良いです。
上昇トレンド成立要件

「戻り高値」を、ローソク足実体で上抜け(A地点)した後、に「押し安値」に届かない様に作った「安値」(B地点)をつける。
なお、「押し安値直後の高値」は、ローソク足実体で上抜きしていないのでカウントしない。
「高値(C)」上抜けで上昇トレンド成立となります。
さらに、D地点で「新しい押し安値B」に届かず反発したので、上昇トレンド継続(青塗り部分)となります。
チャートレベルでのダウ理論の読み方と、トレンド判断について解説いたしました。
「ダウ理論だけ」でエントリー可能な事がお判りいただけたかと思います。
これを基礎にして、「オシレーター」と組み合わせるとさらに勝率があがります。
トレンドの判断については「移動平均線」でも可能です。是非ご参照ください。